共同研究や新事業展開に向けたオープンイノベーション(協業先の探索)を目的とした、イベントプラットフォーム「MEET UP CHUBU」。先日、名古屋市・STATION Ai(名古屋市昭和区鶴舞1丁目2−32)にて、「ディープテックスタートアップ with Aichi Deeptech Launchpad ~協業のリアルに触れる~」と題し、Aichi Deeptech Launchpadとのコラボ回を実施しました。ディープテックスタートアップ企業によるピッチや、パネルディスカッションを行いました。

はじめに

「MEET UP CHUBU」は、大学等研究機関やスタートアップを含む企業が、連携パートナーを探索する場であり、毎月第2第4木曜日に、技術シーズや技術課題、連携ニーズなどを隔週実施のピッチイベント等で紹介し、新たな連携プロジェクトを次々と創出するプラットフォームです。今回は、Aichi Deeptech Launchpadの過去・今年度採択者が連携パートナーの探索を目指し、ピッチ登壇を行いました。

冒頭では、愛知県におけるディープテックスタートアップ関連施策の紹介として、愛知県 経済産業局 革新事業創造部 部長・古田 豊氏が登壇しました。愛知県では、産業競争力を維持・発展するために、スタートアップを起爆剤とする新たなイノベーション創出の仕組み作りが喫緊の課題であると考え、2018年10月に「Aichi-Startup戦略」を策定。本プログラム「Aichi Deeptech Launchpad」をはじめとするアクセラレーションプログラム、スタートアップ創出ステージ支援としたファンド運営・補助金、そしてグローバル連携など、愛知県が展開する様々な支援について紹介しました。

また、今回の会場にもなった「日本最大のスタートアップ支援拠点」STATION Aiの紹介を行い、入居中の約590社のスタートアップと約350社のパートナー企業(事業会社・金融機関・大学・自治体等)がこの場所を活用しながら「オープンイノベーション・協業」を目指す仕組み・支援体制についても説明しました。

ディープテックスタートアップのピッチ

「どこでも使える超高感度磁気センシング×ロボティクス」
株式会社IZANA 代表取締役 大前 緩奈 氏

株式会社IZANAは、超高感度磁気センシング技術を強みとする名古屋大学発スタートアップとして、これまでに無い磁気センサのソリューションを提供しています。「磁気センサ」とは、我々が使っているスマートフォンにも使われている身近な電子部品ですが、我々の超高感度磁気センサは、原理からの改善により一般的な磁気センサの15,000倍の高性能化を実現しました。また、従来の超高感度磁気センシングの課題にアプローチし、これまでは不可能であった磁気雑音環境下での感知を可能にしました。これによって、例えば工場・ドローンの雑音の横など、従来使用できなかった様々な場所での活用が可能になります。

製造現場での開発事例をご紹介します。製造業の現場において、事業者さまが抱える事業課題のひとつに「異物混入」があります。異物混入が起きてしまう結果、販売停止や商品回収という事態が発生してしまいますが、「超高感度磁気センサ」を活用し、超微小な金属異物の検出ソリューションを提供することが可能になります。このように、IZANAでは今までにない高感度磁気センシングによる、新たな活用分野開拓を目指しています。ぜひ、様々な業種でのニーズ・ヒアリングからご協力いただけますと幸いです。

<来場者からの質問>

Q:見過ごされてきた鉄系異物とはどんなものですか?

A:工場内のミキサーの刃こぼれによって、薬品中にミクロンサイズの異物が生じてしまった事例があります。

「日本のものづくりの力で実現する、世界初の“実用発電”可能な核融合炉」
株式会社Helical Fusion 代表取締役CEO 田口 昂哉 氏

Helical Fusionは、核融合エネルギー(フュージョンエネルギー)の社会実装を目指すスタートアップです。太陽の中では、「核融合」と呼ばれる反応により、膨大なエネルギーが生み出されていますが、その核融合反応を地球上で人工的に再現して、直接エネルギー源として利用していく仕組みを作ろうとしています。

これを日本で実現する意味として、日本特有の課題「エネルギー自給率」があります。国内のエネルギー自給率はアメリカが100%を超えていることに比べ、日本では15%と非常に低く、これは日本でエネルギーを使うほどお金が海外に流れているということになります。国家としても、非常に危うい状況です。地下資源に恵まれていない日本でこのエネルギー自給率をあげるために、「核融合」の技術を活用したいと考えています。産業的にも、日本の大きな産業の柱になりうる可能性を持っている分野となります。

とても難しそうに聞こえる技術ですが、これまで数千億かけて国で開発されてきた歴史があり、すでに実証済みの部分も多くあります。「商用ベースの核融合発電所」に向けて、残るはあと2つの技術です。

エネルギーを受け止めて熱に変えるブランケット、太陽部分のさらなる高性能化・コンパクト化という2つの技術を、Helical Fusionではあと3~4年で仕上げて、一連の核融合システムを商用化することを目指しています。

Helical Fusionでは「定常運転・正味発電・保守性」という商用炉の三要件にこだわって開発を進めています。世界のエネルギーの未来を作るべく、愛知・中部のものづくりの力を結集しながら、さらなる事業推進を進めていきます。事業連携・資本連携にご興味のあるパートナーさま、どうぞよろしくお願いいたします。

<来場者からの質問>

Q:「熱を閉じ込める」段階までは成功しているということですが、ブランケットの温度は何度くらいでしょうか?

A:弊社の場合は、受け止める金属が600度から700度になります。液体金属で熱を交換しています。

Q:今後、小型化を目指すと思うのですが、溶接技術が難しいだろうなと想像します。この辺りはクリアできるのでしょうか?

A:愛知県でずっと溶接をやっている会社さんに株主にもなっていただき、お力添えいただいています。溶接だけではなくて、締結技術もお願いしたいと思っています。

Q:小型化した際の出力はどのくらいですか?

A:Helix KANATAという発電装置で、数十メガワット程度を想定しております。

「片まひ患者を中心とした歩行リハビリ用ロボット装具の社会実装」   
株式会社INOMER 代表取締役CEO 桂 典史 氏

株式会社INOMERは片まひ患者を中心とした歩行リハビリ用ロボット装具の社会実装を目指しています。要介護の認定者数は、全国で694万人とされており、突然の身体機能の低下は本人だけでなく家族、医療従事者や国にも大きな負担を与える深刻な社会課題です。

「人とロボットの協調したアシスト」というのは、日本における強みで、ここで世界に負けてはいけないと思っています。我々INOMERは、「“着るロボット“」で介護予防・健康寿命延伸にイノベーションを起こします。我々が開発する着るロボット「inoGear HE-1」は、理学療法士の技をヒントに、正しい歩行フォームをアシストするものです。これまでの歩行支援にない世界初のコンセプトとして、「理学療法士さんの”技”をロボットにインストールする」ということをやってまいります。

あえてマニュアルで理学療法士さんに設定をしてもらうことで、歩行がどのように変わったかというデータが蓄積されていく仕組みとなっております。介助設定と歩行変化を管理・可視化出来るアプリを活用しながら、患者・医師・理学療法士の間でデータを共有することで、リハビリの質向上・効率化を目指していきます。つまり、理学療法士の技をDX化して、データ活用するエコシステムを作りたいと考えています。

現在、40以上の施設でテストをしており、良い反響をいただいています。“着るロボット”で介護予防・健康寿命延伸にイノベーションを起こすため、一緒に取り組んでくださる事業パートナー、開発パートナー、製造パートナー、共同研究先を探しています。どうぞよろしくお願いいたします。

<来場者からの質問>

Q:どのような開発パートナー、製造パートナーを探していますか?

A:「inoGear HE-1」はデータを使って人間にフィードバックしていくロボットです。このフィードバックには、視覚・振動など様々な要素を活用できると考えています。フィードバックの掛け方において、色々なデバイスを使っていきたいので、そういった技術を持っているパートナーさんと協業したいです。また、販売経路・製造をサポートしてくださるパートナーさんもぜひご一緒させていただければと思っております。

Q:リハビリ向けのロボットですか?活動アシスト向けのロボットですか?

A:まずはリハビリとして機能回復で使っていただくことを想定していますが、シニアの筋肉低下した方にも使っていただけるので、将来的にはウェアラブルなロボットとして身近な存在にしていきたいです。

「ペプチドファーミングで開く持続可能型農業」
株式会社Craftide 代表取締役 大石 俊輔 氏

農業の課題として、化学農薬・化学肥料による環境への負荷というものがあります。その対策として政府も「緑の食料システム戦略」というものを定めており、2050年までに化学農薬を50%減、化学肥料を30%減という目標を掲げています。しかし同時に、環境規制により生産量が落ち、農家さんが困窮してしまうという課題を抱えています。

今、農業には環境保全と生産性維持の両立を可能にする、新しい農業ソリューションが求められているのです。

そこで、環境への優しさと生産性向上を両立するために弊社が注目したのが「ペプチド」です。ペプチドは、我々の身体のなかに存在しているタンパク質を短くした分子です。大きな特徴として、分解されるとアミノ酸になり、完全に無害であること。また、分解されやすく、環境に残留しないということが挙げられます。

従来の農業の課題である化学農薬の拡散・残留による環境への影響にアプローチしながら、このペプチドを使った農業ソリューションを「ペプチドファーミング」として、農業をもっとやさしく、もっと豊かにするイノベーションを起こしたいと考えています。化学肥料は価格が高騰しているにも関わらず、30%-50%という低い利用効率も課題とされています。残りは、地下水や河水に流出してしまうのです。この点に対しては、植物の栄養吸収を刺激して、少ない肥料でこれまでと同様に育つペプチドの開発を行おうと考えています。

名古屋大学発のスタートアップとして世界に先駆けた研究を行っており、生産者さんにとっては環境にやさしい栽培が出来て、消費者が安全で美味しい農作物を購入出来る社会を目指していきます。

<来場者からの質問>

Q:ペプチドを植物に与える具体的な手法はどんなものですか?

A:今試しているのは水に混ぜて畑に撒く手法です。葉から吸収される植物の場合はドローンで撒くなど、これまでの農薬と同じ様な方法が使えます。

「誰もが再生医療を選択できるように。細胞品質AIシステム「Cytometa」」
株式会社Quastella 代表取締役CEO 竹本 悠人 氏

弊社は、細胞製造現場の為の細胞画像解析サービス「Cytometa x PoCサポート」を提供しております。みなさま、再生医療をご存知でしょうか。再生医療というのは、細胞を活用した医療で、これまで治療が困難だった疾患を治癒出来る可能性のある未来の医療です。「再生医療」は全世界数億人の希望を背負った医療と言っても過言ではありません

再生医療は、細胞を活用した医療です。プロセスとしては、「細胞を人から採取し、施設で製造し、医薬品として提供する」というものになります。再生医療に必要な細胞は、細胞培養加工施設等で製造されていますが、製造過程での品質評価の現状に課題があります。最先端な医療でありながら、もっとも重要な細胞の品質は、人間の目で見て評価しており、人件費も一因となり製造が大規模になるにつれてコストも高額となります。

高額な製造コストの割に製造成功率が低く、治療が必要な方に医療として届けられていない現状があります。

私たちは、「細胞は生き物であり、常に変化しているため、製造は不安定なもの」という今の当たり前を覆して、再生医療を誰もが選択できる医療にしたいという想いのもと活動しています。それを実現するために、弊社の品質評価システム「Cytometa」と、製造開発〜運用までの一気通貫なサポートを行う「PoCサポート」を提供しています。

再生医療市場は、グローバルでみても成長市場です。そして、その品質に関する意識変革も起こっています。弊社Quastellaは、「細胞をすべての人に。」をミッションに掲げ、細胞を安心して扱える当たり前を作っていきたいと考えています。細胞製造・細胞培養に関する事業者様・CPC保有クリニック様との連携に力を入れていきたいと考えておりますので、ご興味のある方はぜひお問い合わせください。

<質問>

Q:細胞の感染症、がん化についてはどう考えていますか?

A:私たちが直接的にこの課題を解決するわけではないのですが、こういった課題に取り組んでいる会社様の品質評価を担って、サポートをしていきたいです。

Q:求めている連携希望先はありますか?

A:細胞を扱う事業者様であればぜひという記載をしておりますが、他分野からの新規事業として、再生医療分野にご興味をお持ちでしたら、ぜひお話しさせていただきたいです。私たちの評価を通して、再生医療分野での機材開発等をご支援できればと思っております。

「空気に浮かぶ新素材「超軽量材料」の紹介」   
株式会社ソラマテリアル 代表取締役 大里 智樹 氏

株式会社ソラマテリアルは「マテリアルで空を身近に」をビジョンに掲げ、空気に浮くほど軽い新素材超軽量材料」の研究・製品開発を行う名古屋大学発のスタートアップです。ミッションとしては、超軽量材料で、航空宇宙開発における技術的ボトルネックの解消を目指しています。

私自身が鳥人間コンテストでのパイロット経験などがあり、材料の軽量化に高い関心がありました。材料技術は名古屋大学の上野先生が開発した超軽量材料の技術を用いています。

航空宇宙やモビリティ分野において軽量化は喫緊の課題であり、様々取り組みが進められています。我々は、「空気に浮かぶほど軽い材料」という新しい領域の提案と材料の開発を行いました。熱気球などと同じ原理で、材料を温めると実際に空気中にふわふわと浮かせることができます。この超軽量材料を使用することで、飛行機1機で数百キログラム程度軽くなるなど、非常に大幅な軽量化が見込めます

また、軽いだけではなく、断熱性・吸音性・電磁波遮蔽/吸収といった機能もありますので、軽量な密度域で、様々な機能材としての利用が可能になります。製品の軽量化に課題を抱える企業様、材料特性を活かした製品開発に関心をお持ちの方々はもちろん、材料開発は我々ひとりではできない部分もありますので、調達・人材も含めてみなさまのご協力をいただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

<来場者からの質問>
Q:材料特性を活かした適用例を教えてください。

A:音の領域ですと、比較的低い音(低周波)の吸音性が高いということが分かっており、自動車分野などから導入出来ないかというご相談もあります。また、ノイズ抑制が出来るので自動運転の通信や、ミリ派レーダーの精度向上にも繋がるのではと考えています。

Q:防げる電磁波はどんなものですか?

A:MHz帯から、GHz帯での電磁波のシールド効果が高いというデータがあります。5G、6Gとの吸収特性の相性が良いので、電磁波のノイズがある時にこの材料を貼ると役立てるのではないかと思っています。

FiberCraze株式会社(映像で紹介)

岐阜大学発ベンチャーとして、世界が誇る素材を作ることを目指しています。防虫、UVカット、消臭などの付加価値をつけることも可能であるため、デング熱・マラリアといった世界の社会課題に対しても解決できると考えています。機能性素材Craze-tex®の用途開発、販路開拓 /多孔化加工を用いた新素材開発の連携 / 東南アジアの社会課題解決、公衆衛生向上のプロジェクトへのご協力をいただきたいです。どうぞよろしくお願いいたします。

パネルディスカッション

パネルディスカッションでは、「DeepTechスタートアップと事業会社による協業事例」として、株式会社aba代表取締役CEO 宇井 吉美氏、ソニーグループ株式会社 Business Acceleration and Collaboration部門  Acceleration Service事業部 統括課長 小谷 克秀 氏、パネラーとしてフォースタートアップス株式会社 ヒューマンキャピタル本部 プリンシパル 兼 オープンイノベーション本部 パブリックアフェアーズディビジョン 清水 美保氏が登場。

※ソニーグループは投資機能(Sony Innovation Fund)とアクセラレーション機能 (Sony Acceleration Platform)を備えて、スタートアップと協働。Sony Acceleration Platformは、バウンダリースパニングによるイノベーション創造に取り組んでいる。

https://sony-acceleration-platform.com/article1510.html

「テクノロジーで誰もが介護がしたくなる社会をつくる」株式会社abaが開発提供する「ヘルプパッド」はセンサーが尿と便の「におい」を検知し、スマホやタブレット、パソコンに「おむつ交換タイミング」を通知する排泄検知センサー。「自身でオムツを変えることが出来なかったり、変えて欲しいと伝えられなかったりする方が国内に183万人ほどいます。ヘルプパッドを使うと、おむつ交換のタイミングをご本人に代わって介護者に通知をしてくれます」と宇井さん。

「技術者あるあるだと思うのですが、現行モデルの開発を行っている際、機能にばかりに力を注いでしまい、見た目の部分が後回しになっていました。『もっとデザインを考えた方が良い』という指摘を受けましたが、その時点ですでにローンチまで1年を切っており、どうすべきか悩んでいました。そんな中、ソニーさんにご協力いただき、大きなお力添えをいただいたことを今でも覚えています。また常に『相談したいことはありませんか?』と声をかけてくださり、相談しやすい空気感を作ってくださっていることに、弊社のエンジニアも日々感謝しています」とコメント。海外展開を目指した際のエピソードとして、「パッドが濡れたときに“赤”を使うのか“青”を使うのかーー海外では日本と感覚が逆だったりすることも驚きました。その経験は私自身にとっても非常に良い学びになりました」と小谷さん。

ソニーさんには海外ピッチレクチャー支援も行っていただいたそうで、「私は、英語が全く話せないのですが、まずシンガポールでピッチすることを決めて、そこに向けて練習をしました」と宇井さん。小谷さんは「通訳をつけてピッチをするよりも、本人が自分の言葉で熱を持って話すことが大切。abaさんが海外展開を目指していると伺い、宇井さんご本人に直接お話しして欲しかった」と当時の想いを明かします。

恥はかき捨て」というキーワードもあがりました。様々な支援を受ける中で、恥ずかしい場面はいくつもあるものの、できないことは恥を捨てて正直に伝えること。「“わからないことがわからない”という状況もありましたが、自分たちの現在地がわかれば、そこからどのように山を登ればよいかが見えてきます。その結果、お互いにどうすれば協力し合えるか見えてくるのだと思います」とコメント。

その他にも協業先の紹介など良い関係が築けているお2人と両社ですが、その秘訣については「人と人として関係を築くことを大切にしている」と語ります。「以前、介護施設でふと入居者さんに“おばあちゃん”と声をかけたところ、ヘルパーさんから『一人一人には名前があります』と注意を受け、ハッと気づかされた経験がありました。現在、さまざまな企業さんとお付き合いしていますが、“企業として”接してしまうと顔が見えなくなりがちです。だからこそ、私は“人と人”として関係を築くということを大切にしています」と宇井さん。小谷さんからも「今日ここには多くのスタートアップ企業の皆さんにお越しいただいていますが、やりたいことや願いはどんどん口に出していただきたいですし、頼ったもの勝ちだと思います。ぜひ皆さんと一緒にものづくりをしていきたいです」とメッセージを送りました。

さいごに

最後には、CIC Institute ディレクターの名倉勝氏より閉幕の挨拶を行いました。先日就任したばかりの新しい総理大臣も、今回皆さんが発表してくださったテーマと同様に、ディープテック分野の取り組みを重視しています。今後もっと支援が加速していくと考えていますし、ADLはそこに先駆けて自治体として革新的なプログラムを行ってきました。スタートアップの皆様の頑張りをさらに加速させていくことが我々の役割だと思っています」と今後のディープテックの発展について期待をのぞかせます。

加えて、「しかしながら、国内のスタートアップ企業は、海外に比べても発達しきっておらず、裾野は広がっているけれど高さはこれから、という現状があります。逆にいうと伸びしろも大きいと思うので、勝ち筋としては、先ほど発表していただいたabaさんとSonyさんのような、スタートアップと大企業の連携が最も大きいのではないでしょうか。だからこそ、今回のように顔が見える場所に皆さんで集まることはとても大切だと思います。うまく連携してもっとスタートアップを発展させ、社会課題を解決し、日本をより豊かにしていきましょう」と結びました。